業務用エアコン施工品質の分かれ道
「同じメーカー・同じ型番なのに、
あの店舗は冷えが悪い、こっちは問題なく使えている」
業務用エアコンの現場では、こうした差が珍しくありません。
その原因は機種ではなく“施工品質”にあります。
本記事では、現場で実際に差が出るポイントを分かりやすく解説します。
業務用エアコンは「施工で性能が決まる」
家庭用と違い、業務用エアコンは
- 現場条件
- 配管ルート
- 電源・排水
- 天井内環境
など、一つとして同じ条件の現場がありません。
つまり、
カタログ性能 = 実際の性能
ではないのが業務用空調の特徴です。
分かれ道①:配管施工の精度
● 冷媒配管の処理
- フレア加工の精度
- 締め付けトルク
- 異物混入の有無
ここが甘いと、
✔ 冷えが弱い
✔ ガス漏れ
✔ 圧縮機故障
といった重大トラブルの原因になります。
分かれ道②:真空引き・気密管理
施工品質で最も差が出やすいのが真空引き作業です。
- 規定時間を守っているか
- 真空度を計測しているか
- 途中で手を抜いていないか
真空引きが不十分だと、
初期は動いても数年後に性能低下・故障が発生します。
分かれ道③:ドレン排水処理
業務用エアコンのトラブルで多いのが水漏れです。
原因の多くは、
- 勾配不足
- トラップ未処理
- 天井内の排水ルート設計ミス
「冷える・暖まる」以前に、
営業に直接影響する事故につながります。
分かれ道④:設置位置と風の流れ
同じ機種でも、
- 風が人に直接当たる
- 死角ができる
- 熱がこもる
といった設置では、
体感温度・快適性に大きな差が出ます。
これは
✔ 図面だけ施工
✔ 現場を見ずに決める
と起きやすい典型例です。
分かれ道⑤:試運転・引き渡しの質
施工後の
- 試運転時間
- 異音・振動チェック
- エラー履歴確認
ここを丁寧に行うかどうかで、
初期不良を防げるかが決まります。
「動いたからOK」では、
後々のトラブルを見逃すことになります。
施工品質が低いとどうなるか
- 冷暖房効率が悪い
- 電気代が高くなる
- 故障が早い
- メーカー保証対象外になる場合も
結果として、
同じ機種なのに寿命もコストも大きく差が出るのです。
経営者・設備担当者が見るべきポイント
✔ 価格だけで業者を選んでいないか
✔ 現場確認をしているか
✔ 施工内容を説明してくれるか
✔ 施工後のフォロー体制があるか
「どの機種を入れるか」以上に、
「誰が・どう施工するか」が重要です。
まとめ|空調の良し悪しは“施工で決まる”
業務用エアコンは
- 機種選定
- 施工品質
- 運用管理
この3つが揃って初めて、
本来の性能を発揮します。
同じ機種でも差が出るのは、
施工が“見えない品質”だから。
だからこそ、
目に見えない部分を丁寧に施工できる業者選びが、
長期的なコスト削減につながります。


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