仕組みと点検の基本
「冷房(暖房)が効かない」
「風は出ているのに室温が変わらない」
ビルやホテル、病院、オフィスなどで多く使われている
ファンコイルユニット(FCU)に関して、こうした相談は非常に多く寄せられます。
ファンコイルユニットは構造が比較的シンプルな設備ですが、
仕組みを理解していないと原因特定が難しい空調機器でもあります。
この記事では、
- ファンコイルユニットの基本的な仕組み
- 「効かない」と感じる主な原因
- 現場でできる点検の基本
- トラブルを防ぐための管理ポイント
を、空調設備の専門視点で解説します。
ファンコイルユニットとは?
ファンコイルユニット(FCU)とは、
熱源(冷温水)と送風機(ファン)を組み合わせた空調機器です。
中央熱源方式の建物で多く採用されており、
- 冷水・温水を供給
- コイルで熱交換
- ファンで室内に送風
という仕組みで空調を行います。
主な設置場所
- オフィスビル
- ホテル
- 病院・介護施設
- 商業施設
ファンコイルユニットの基本構造
ファンコイルユニットは、主に以下で構成されています。
- 熱交換コイル
- ファン(送風機)
- フィルター
- 制御弁(電動弁)
- ドレンパン・ドレン配管
この中のどこか一つでも不具合があると、
「効かない」「効きが悪い」と感じる原因になります。
ファンコイルユニットが効かない主な原因
① 冷温水が流れていない
最も多い原因です。
- 電動弁が開いていない
- バルブの閉止
- エア噛み
水が流れていなければ、
どれだけ風を送っても冷暖房はできません。
② フィルターの目詰まり
フィルターが汚れていると、
- 風量低下
- 熱交換効率の悪化
が起こります。
「風は出ているが弱い」という場合、
まず疑うべきポイントです。
③ コイルの汚れ
コイルに埃や油分が付着すると、
- 冷えない
- 暖まらない
- 結露が増える
といった症状が出ます。
フィルター清掃だけでは不十分なケースも多く、
定期的な内部洗浄が必要です。
④ ファンモーターの不具合
- 異音がする
- 回転数が上がらない
- 停止と再起動を繰り返す
このような症状がある場合、
ファンモーターやコンデンサ劣化が疑われます。
⑤ ドレン詰まりによる停止・結露
ドレンが詰まると、
- 水漏れ
- 安全装置作動
- 運転停止
といったトラブルにつながります。
現場でできる点検の基本
✔ 風は出ているか
→ 出ていない場合は電源・制御系統を確認
✔ 風は冷たい(暖かい)か
→ 温度差がない場合は水系統を疑う
✔ フィルターは汚れていないか
→ 定期清掃ができているか確認
✔ 異音・振動はないか
→ モーター・ベアリング劣化の可能性
ファンコイルユニットは「止まらずに効かなくなる」
FCUの厄介な点は、
完全停止ではなく「なんとなく効かない」状態が続くことです。
その結果、
- 不満が溜まる
- エネルギーロスが増える
- 電気代・熱源負荷が上がる
という悪循環に陥ります。
定期点検・メンテナンスの重要性
ファンコイルユニットは、
- 台数が多い
- 天井内など見えにくい
- 不調に気づきにくい
という特徴があります。
だからこそ、
- フィルター清掃
- コイル洗浄
- バルブ・制御確認
- ドレン点検
といった定期点検が不可欠です。
まとめ|仕組みを知れば対処しやすい
ファンコイルユニットが効かない原因は、
多くの場合「構造を理解すれば整理できる」ものです。
- 風の問題か
- 水の問題か
- 汚れか
- 機械的な劣化か
を切り分けることが重要です。
「効きが悪い」と感じたら、
放置せず、早めの点検・相談が
快適な空調環境を守る第一歩になります。


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