業務用エアコンや冷凍冷蔵設備を使用している事業者にとって、フロン排出抑制法の定期点検は避けて通れない重要な義務です。
「点検って何をすればいいの?」「罰則はあるの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、空調工事業者の視点から、
- フロン排出抑制法の概要
- 定期点検の義務内容
- 事業者ができるセルフチェック方法
- 点検を怠った場合のリスク
を分かりやすく解説します。
■ フロン排出抑制法とは?
フロン排出抑制法(正式名称:フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)は、
地球温暖化の原因となるフロンガスの大気放出を防ぐための法律です。
対象となるのは、主に以下の設備です。
- 業務用エアコン(ビル用マルチ・パッケージエアコンなど)
- 冷凍冷蔵設備(ショーケース・冷凍庫・チラーなど)
家庭用エアコンは対象外ですが、業務用設備は事業者責任で管理義務があります。
■ 定期点検の義務とは?
フロン排出抑制法では、機器の規模に応じて以下の点検が義務付けられています。
● 簡易点検(すべての対象機器)
- 3か月に1回以上
- 使用者(事業者)が目視などで実施可能
● 定期点検(一定規模以上の機器)
- 年1回または3年に1回
- 有資格者(冷媒フロン類取扱技術者など)による実施が必要
■ 事業者向け「簡易点検セルフチェックリスト」
まずは、事業者自身で行える簡易点検項目です。
✅ 1. 冷え・暖まりが悪くなっていないか
- 設定温度に達しない
- 風量が弱い
→ 冷媒漏えいの可能性があります。
✅ 2. 異音・振動が発生していないか
- ガラガラ音
- ブーンという異常音
→ 圧縮機やファンの異常、冷媒不足の可能性。
✅ 3. 室外機・配管の状態
- 配管に霜や油にじみがある
- 室外機周辺が異常に汚れている
→ 冷媒漏れの典型的なサインです。
✅ 4. ドレン水・油の漏れ
- 水漏れ
- 床や配管周囲の油汚れ
→ 冷媒漏れ・内部故障の可能性があります。
✅ 5. 電気代が急に上がっていないか
- 昨年より明らかに電気代が高い
→ 冷媒不足で効率が落ちているケースが多いです。
■ 定期点検を怠った場合のリスク
● 法的リスク(罰則)
フロン排出抑制法違反の場合、
- 指導・勧告
- 命令
- 罰金(最大50万円)
などの行政措置があります。
● 経営リスク
- 突然の空調停止
- 営業停止・売上減少
- 顧客クレーム増加
- 従業員の労働環境悪化
特に飲食店・医療施設・コンビニでは致命的です。
■ 定期点検をプロに任せるメリット
● 冷媒漏えいの早期発見
専門機器で微量漏えいまで検知可能です。
● 設備寿命の延長
故障前に対処することで、機器寿命を数年延ばせます。
● 修理・更新計画が立てやすい
突発的な高額出費を防げます。
■ フロン管理記録簿も忘れずに
事業者は、以下の記録も義務付けられています。
- 機器情報
- 点検記録
- 修理履歴
- 冷媒回収量
これをフロン管理台帳として保存する必要があります。
■ よくある誤解
❌「業者に任せているから大丈夫」
→ 点検契約がなければ事業者責任です。
❌「古い機器だから対象外」
→ 使用している限り対象です。
❌「家庭用エアコンと同じ扱い」
→ 業務用は法律対象、家庭用は対象外です。
■ まとめ|フロン点検は「義務」ではなく「経営リスク対策」
フロン排出抑制法の定期点検は、単なる法律対応ではありません。
設備トラブル・電気代・営業リスクを防ぐための重要な経営管理です。
簡易点検は事業者自身でも可能ですが、
本格的な定期点検は専門業者に依頼することで、
- 突然の故障
- 高額修理
- 法令違反
を未然に防ぐことができます。


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