業務用エアコンが故障した際、多くの企業がまず検討するのが「修理」です。しかし、すべての空調トラブルが修理で解決できるわけではありません。実際の現場では、「修理不可」と判断され、更新(買い替え)が必要になるケースも少なくありません。
本記事では、業務用エアコンが修理できない主なケースと、その理由、そして企業が取るべき対策について詳しく解説します。空調設備の更新判断に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ修理できないケースがあるのか?
エアコンは電気部品・機械部品・冷媒系統など、多くの要素で構成されています。そのため、特定の条件下では修理自体が不可能になることがあります。
主な理由は、
・部品が存在しない
・修理しても再故障のリスクが高い
・安全性が確保できない
・コストが更新より高額になる
といった点です。
ケース① 部品供給が終了している
最も多いのが、「修理に必要な部品が手に入らない」ケースです。
業務用エアコンのメーカーは、一般的に製造終了後約10〜15年で部品供給を終了します。これはメーカーの保守期間の目安です。
例えば、
・制御基板
・コンプレッサー
・ファンモーター
・電子部品
などの主要部品が供給終了している場合、修理自体が不可能になります。
この場合、唯一の解決策は設備の更新です。
ケース② コンプレッサー(圧縮機)の故障
コンプレッサーはエアコンの「心臓部」と呼ばれる重要部品です。
この部品が故障すると、
・修理費用が非常に高額になる
・部品供給が終了している場合が多い
・修理しても他の部品が故障する可能性が高い
といった理由から、更新が推奨されるケースが多くなります。
特に設置から10年以上経過している場合、修理より更新の方が合理的です。
ケース③ 冷媒(ガス)が旧規格である
古いエアコンでは、現在主流ではない冷媒が使用されている場合があります。
代表例:
・R22冷媒(旧冷媒)
この冷媒は環境規制の影響により、
・生産終了
・入手困難
・価格高騰
といった状況になっています。
冷媒漏れが発生した場合でも、補充が困難または高額になるため、修理が現実的ではないケースがあります。
ケース④ 制御基板の故障
制御基板はエアコン全体の動作を管理する重要な電子部品です。
この部品が故障すると、
・エアコンが起動しない
・誤作動が発生する
・完全停止する
などの症状が発生します。
制御基板は機種ごとに専用設計のため、部品供給が終了していると修理は不可能になります。
ケース⑤ 複数箇所の同時故障
1箇所の故障であれば修理可能でも、
・コンプレッサー
・基板
・ファンモーター
など、複数箇所が同時に故障している場合、修理費用が非常に高額になります。
この場合、
修理費用 > 更新費用
となるケースが多く、更新が推奨されます。
ケース⑥ 設置から15年以上経過している
使用年数が長い機器は、修理できたとしても再故障のリスクが高くなります。
古い設備では、
・他の部品も劣化している
・修理後すぐに別の故障が発生する
といった問題が発生します。
結果として、修理を繰り返すより更新した方がコストを抑えられるケースが多くなります。
修理と更新、どちらが良いのか?
判断の目安は以下の通りです。
修理が適しているケース:
・使用年数が10年未満
・軽微な故障
・部品供給がある
更新が適しているケース:
・使用年数が10〜15年以上
・主要部品の故障
・部品供給終了
・修理費用が高額
設備の状態と年数が重要な判断基準になります。
修理できないことで発生するリスク
修理できない場合、突然空調が使えなくなります。
その結果、
・営業停止
・売上損失
・顧客満足度の低下
・従業員の作業環境悪化
といった問題が発生します。
特に夏や冬の繁忙期では、事業への影響が非常に大きくなります。
修理不能を防ぐための対策
最も重要なのは、「壊れてから対応する」のではなく、「壊れる前に準備する」ことです。
具体的には、
・使用年数の確認
・定期点検の実施
・早めの更新計画
が重要です。
特に設置から10年以上経過している場合は、更新を視野に入れた検討が必要です。
まとめ|修理できないケースは確実に存在する
業務用エアコンは、以下の条件で修理不能になる可能性があります。
・部品供給終了
・コンプレッサー故障
・旧冷媒使用機種
・制御基板故障
・複数箇所の故障
・長期間使用(15年以上)
これらに該当する場合、更新が現実的な選択となります。
空調設備は、企業の営業を支える重要なインフラです。
突然の修理不能による営業停止を防ぐためにも、現在使用している空調設備の状態と年数を確認し、計画的な更新を検討することが重要です。


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