― 二次被害を防ぐために必ず知っておくべき対処法 ―
台風・強風・地震・積雪などにより、
エアコンの室外機が転倒した、倒れかけているという相談は年々増えています。
「とりあえず起こせばいい」
「少し傾いているだけだから大丈夫」
こうした判断が、
感電・冷媒漏れ・機器破損といった重大事故につながるケースも少なくありません。
本記事では、空調工事・修理現場で実際に起きている事例をもとに、
室外機転倒時の絶対NG行動と、安全確保の正しい手順を分かりやすく解説します。
室外機が転倒すると何が危険なのか?
室外機は見た目以上に、
- 高電圧部品
- 高圧冷媒
- 重量物(30〜100kg以上)
を内部に抱えた危険を伴う機器です。
転倒時には、
- 配管の破断
- 電線の損傷
- 冷媒漏れ
- 圧縮機の内部損傷
が起きている可能性があります。
見た目に大きな破損がなくても、
内部では致命的なダメージを受けていることがあります。
転倒時に絶対やってはいけないNG行動
NG① 電源を入れて動作確認する
「ちゃんと動くか試す」は最も危険な行為です。
- 漏電による感電
- ショートによる発火
- 圧縮機の焼き付き
につながる恐れがあります。
転倒後は、
絶対に電源を入れないでください。
NG② 素手・一人で起こそうとする
室外機は非常に重く、
無理に起こそうとすると、
- 腰・指のケガ
- 室外機の再転倒
- 配管の完全破断
を招きます。
特に配管がつながった状態で動かすと、
冷媒漏れを悪化させる原因になります。
NG③ 傾いたまま使い続ける
「少し傾いているだけだから大丈夫」は危険です。
- 潤滑油が正常循環しない
- 圧縮機に過負荷がかかる
- 異常振動・異音が発生
結果として、
短期間で重大故障につながるケースが多く見られます。
NG④ 冷媒ガスを勝手に触る・抜く
冷媒は高圧ガスであり、
資格なしで扱うことは法令違反です。
誤った処置は、
- 凍傷
- 酸欠
- 環境負荷
といったリスクを伴います。
室外機が転倒した時の正しい対応手順
① まず電源を切る(ブレーカーOFF)
感電・発火防止のため、
必ずブレーカーを落とします。
② 周囲の安全を確保する
- 子どもや第三者を近づけない
- 転倒・落下の恐れがある場合は立ち入り禁止
二次被害防止が最優先です。
③ 室外機の状態を目視確認(触らない)
確認ポイント
- 配管が潰れていないか
- 油染み・異臭がないか
- 電線が露出していないか
異常があれば、
その場での復旧は不可と判断します。
④ 専門業者に連絡する
室外機転倒時は、
- 再設置
- 配管修正
- 冷媒点検
- 動作確認
を総合的に判断できる業者への依頼が必要です。
転倒後に多い修理内容と費用の傾向
転倒後は、
以下の修理が発生しやすくなります。
- 配管交換
- 冷媒再充填
- 架台・基礎補修
- 圧縮機交換(重症例)
軽微なら数万円、
内部損傷がある場合は買い替え判断になることもあります。
室外機転倒を防ぐための事前対策
事故を防ぐ最善策は、
転倒させないことです。
有効な対策
- コンクリート基礎への確実固定
- 防振架台の使用
- 強風・積雪地域向け設置
- 定期点検
特に後付け設置や簡易置きは、
転倒リスクが高いため注意が必要です。
まとめ|室外機転倒時は「触らない・動かさない・電源入れない」
室外機が転倒した際に重要なのは、
- 無理に起こさない
- 電源を入れない
- 早めに専門業者へ相談
この3点です。
室外機は「ただの箱」ではなく、
危険を伴う精密機器です。
正しい知識と冷静な対応が、
大きな事故と余計な出費を防ぎます。


コメント