―「本体不良」と決めつける前に確認すべきポイント―
「電源は入るのに動かない」
「室外機が起動しない」
「エラーが出たり消えたりする」
こうした症状で現場に呼ばれ、
結果的に“配線・圧電(電源)トラブル”だったというケースは少なくありません。
本記事では、
業者様が現場で判断を誤りやすいポイントと、
エアコンが動かない時の具体的な確認手順をまとめます。
まず結論:基板不良・本体故障と決めるのは早い
エアコン停止トラブルの初動対応でよくあるのが、
- とりあえず基板交換
- 本体不良として見積り提出
- メーカー点検依頼
ですが実際には、
電源系・配線系が原因だったというケースが非常に多いです。
特に以下の条件では要注意です。
- 新設・入替直後
- 改修工事後
- 他業者が電気工事を行った現場
よくある配線・圧電トラブルの代表例
① 電源電圧不足・不安定
意外と見落とされがちですが、
- ブレーカー容量不足
- 他機器との共用回路
- 電圧降下
により、
起動時だけ電圧が落ちるケースがあります。
✔ 無負荷時は正常
✔ 起動時に電圧低下
✔ エラーが不定期に出る
この場合、基板は正常でも停止します。
② 相欠・相順ミス(三相機)
業務用エアコンで頻発するのがこれです。
- R・S・Tの一部が来ていない
- ブレーカーまでは来ているが、機器側で欠相
- 相順リレー未確認
結果、
- ファンは回らない
- コンプレッサーが起動しない
- エラー表示なしで停止
という厄介な症状になります。
③ 圧電(電源)取り違い・共用
- 室内機と室外機の電源が混在
- 管理盤からの取り出し間違い
- 非常用電源との誤接続
この場合、
- 室内機は動く
- 室外機が反応しない
といった症状が出やすく、
「室外機故障」と誤診されがちです。
④ 渡り配線(信号線)の誤結線
特に多いのが、
- 極性違い
- 端子番号違い
- 圧着不良
結果として、
- 通信エラー
- 起動指令が出ない
- 一定時間後に停止
が発生します。
見た目は繋がっているが、信号が届いていない
というパターンは非常に多いです。
現場での基本チェック手順
Step1:電圧測定(必須)
- 無負荷・起動時の両方を確認
- 室内機/室外機それぞれ測定
- 三相の場合は各相確認
「電源が来ている」ではなく
「正常な状態で来ているか」が重要です。
Step2:配線図と現物の照合
- 端子番号
- 相順
- 信号線
を、必ず図面と照合してください。
「前の業者がやっているから大丈夫」は危険です。
Step3:仮復旧・単体起動テスト
可能であれば、
- 単独回路
- 仮電源
で起動確認を行うと、
本体不良か配線不良かを切り分けやすくなります。
「よくある勘違い」トップ3
- エラーが出ない=正常
- 電源ランプ点灯=電源OK
- 新品=配線ミスはない
現場では、この思い込みが
原因特定を遅らせます。
配線・圧電トラブルを防ぐために
- 電源系は必ず自分の目で確認
- 渡り配線は圧着状態までチェック
- 改修現場ほど疑ってかかる
特に繁忙期ほど、
「急いだ現場」でトラブルが増えます。
まとめ|動かない時ほど“基本”に戻る
エアコンが動かない原因は、
必ずしも本体や基板とは限りません。
むしろ現場では、
- 配線
- 圧電
- 電源環境
といった基本部分に原因があるケースが多数です。
「おかしいな」と感じた時ほど、
一度立ち止まり、
電源・配線から順に確認する。
それが結果的に、
一番早く、確実な復旧につながります。


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