― 温度・湿度管理が品質を左右する ―
食品倉庫において、空調設備は「快適性」ではなく
食品の品質と安全性を守るための重要設備です。
温度や湿度の管理が不十分だと、
- 食品の劣化
- カビ・結露の発生
- 異臭・品質クレーム
- 廃棄ロスの増加
など、経営に直結する問題につながります。
本記事では、食品倉庫の現場で実際に重視されている
空調設備選びの注意点を分かりやすく解説します。
なぜ食品倉庫の空調管理は重要なのか?
食品は種類ごとに、
- 適正温度
- 適正湿度
- 空気の流れ
が異なります。
これらが崩れると、
見た目に問題がなくても内部品質が低下する恐れがあります。
特に近年は、
HACCP(ハサップ)対応の観点からも、
空調設備の重要性が高まっています。
注意点① 食品に適した「温度帯」を正確に維持できるか
食品倉庫では、
「冷やせば良い」という考えは危険です。
温度管理の例
- 常温食品:15~25℃
- 青果・生鮮:0~10℃
- 加工食品:10~15℃
空調設備が不安定だと、
- 温度ムラが生じる
- 一部だけ劣化が進む
といった問題が起こります。
庫内全体を均一に保てる設計が重要です。
注意点② 湿度管理を軽視しない
食品倉庫では、
温度以上に湿度管理が重要な場合もあります。
湿度管理が不十分だと
- 高湿度 → カビ・結露
- 低湿度 → 乾燥・重量減少
特に紙箱・段ボールを使用する倉庫では、
湿度が高いと包装劣化や荷崩れの原因になります。
除湿・加湿を含めた空調計画が必要です。
注意点③ 空気の流れ(気流設計)
庫内の空気が滞留すると、
- 温度ムラ
- 結露
- 異臭の滞留
が発生しやすくなります。
気流設計のポイント
- 天井吹出し・側面吸込み
- デッドスペースを作らない
- 商品に直接風を当てない
風量と風向きのバランスが、
食品品質を大きく左右します。
注意点④ 省エネ性能と運用コスト
食品倉庫は、
24時間稼働が前提となるケースが多いため、
空調の電気代は無視できません。
- 高効率機器の採用
- インバーター制御
- 部分運転・ゾーン制御
初期費用だけでなく、
ランニングコストまで含めた比較が重要です。
注意点⑤ メンテナンス性と衛生管理
食品を扱う以上、
清掃・点検のしやすさは非常に重要です。
- フィルター交換が簡単
- カビが発生しにくい構造
- 点検口が確保されている
メンテナンス性が悪いと、
衛生管理のレベルが下がり、
食品事故のリスクが高まります。
食品倉庫に適した空調設備の種類
用途によって、最適な設備は異なります。
- 業務用パッケージエアコン
- スポット空調
- 冷却ユニット+送風機
- 外気処理機(DOAS)
倉庫の規模・食品内容・稼働時間を踏まえ、
専門業者による設計が不可欠です。
よくある失敗事例
現場で多いのが、
- 家庭用エアコンの流用
- 能力不足の機器選定
- 将来拡張を考えていない設計
結果として、
- 温度が安定しない
- 電気代が高騰
- 再工事が必要
というケースも少なくありません。
まとめ|食品倉庫の空調は「設備選び=品質管理」
食品倉庫の空調設備選びで重要なのは、
- 温度・湿度を安定維持できるか
- 気流設計が適切か
- 省エネと衛生管理を両立できるか
空調設備は単なる設備投資ではなく、
食品の品質と信頼を守るための基盤です。
「今は問題ない」ではなく、
長期的な品質維持を見据えた空調計画が、
食品倉庫経営の安定につながります。


コメント