冬場の施工現場で毎年起こるのが、ドレン配管や冷媒管の凍結トラブル。
「暖房が効かない」「室外機が止まる」「水漏れが発生した」といった相談の多くは、実は施工段階の“保温処理ミス”が原因です。
特に群馬県や埼玉県のように、朝晩の冷え込みが厳しい地域では要注意。
本記事では、現場で役立つ正しい保温施工とチェックポイントを、空調専門業者の視点で解説します。
■ なぜ冬場に凍結トラブルが起きるのか?
凍結の主な原因は、配管内の水分や結露が冷却されて氷になることです。
特に多いのが以下のケースです:
- ドレン配管が外気にさらされている
- 勾配が取れておらず、水が滞留している
- 保温材が劣化・破損している
- 屋外配管の接続部が露出している
暖房運転中、室内機から排出される水分は意外と多く、
ドレンホースに溜まった水が夜間の冷気で凍ると、排水が詰まり逆流する危険があります。
■ 配管保温の基本:素材と厚みを見直す
● 使用すべき保温材とは?
冷媒管・ドレン管ともに、外気温を考慮した保温材選定が重要です。
| 地域 | 推奨保温材厚み | 特徴 |
|---|---|---|
| 関東平野部(埼玉・群馬南部) | 10mm〜13mm | 一般的な防湿タイプでOK |
| 山間部・北部地域 | 15mm以上 | 二重巻きまたは断熱材カバーを推奨 |
保温材はエアコン専用の発泡ポリエチレン・ゴム系断熱材が基本。
露出部分にはUVカット仕様の外装テープ(塩ビシート)を重ね巻きし、
紫外線や雨水による劣化を防ぐのが鉄則です。
■ ドレン配管の施工チェックポイント
- 勾配を確保(1/100以上)
水が溜まらないよう、常に下向きに勾配を取る。
途中で折れや蛇行があると、凍結・逆流の原因になります。 - 屋外露出部は必ず保温・保護
ドレンホースが風にさらされると、一晩で氷結することも。
保温チューブ+外装テープでしっかり保護します。 - 排水口の位置に注意
屋外の排水先が北側や日陰だと、融けにくく再凍結リスクが上昇します。
可能であれば南側や屋根下など、気温が下がりにくい場所に配置。 - 防虫キャップの詰まりチェック
施工後・定期点検時には、虫やホコリによる詰まりも確認を。
排水不良は暖房停止につながります。
■ 冷媒管の保温と施工精度が性能を左右する
冷媒管の保温不足は、単なる凍結リスクだけでなく、
冷暖房効率の低下にも直結します。
冷媒配管の結露・霜付きは、室内外の温度差が大きい冬場に起こりやすく、
結果としてエアコンが「設定温度に達しない」「室外機が頻繁に霜取り運転になる」などの症状を引き起こします。
また、保温テープの巻き終わりやジョイント部の隙間処理が不十分だと、
そこから冷気が侵入して断熱性能が半減します。
現場では「細部の見えない部分こそ丁寧に」が鉄則です。
■ 凍結を防ぐ追加対策:ヒーター線の併用
特に寒冷地や夜間の冷え込みが強い現場では、
ドレンヒーター・配管ヒーターの設置も効果的です。
- ドレンホース沿いに巻きつけて通電保温
- サーモスタット付きで自動ON/OFF制御
- 電力消費も少なく、凍結防止効果が高い
URBAN空工などの施工現場でも、北側外壁・屋上設置の室外機には
凍結防止ヒーターを標準化する動きが進んでいます。
■ 点検時に確認
小さな劣化やズレでも、冬場の故障・漏水・停止トラブルに直結します。
「施工したら終わり」ではなく、定期点検の仕組み化が信頼を得る鍵です。
■ まとめ:冬場こそ“見えない部分”の施工品質が問われる
冬季は、配管・ドレン・保温といった「目立たない部分」に施工品質の差が出ます。
お客様から見えない部分こそ、業者の技術力と信頼を示すポイント。
特に今後の2027年冷媒転換以降、エアコンの省エネ化が進む中で、
施工精度=性能発揮力として評価される時代になります。
群馬・埼玉エリアのような冬の寒暖差が大きい地域では、
正しい保温施工と凍結対策が“次の故障を防ぐ第一歩”です。
👉 URBAN空工では、施工現場で使える実践ノウハウをもとに、凍結防止・保温強化の施工支援を行っています。
エアコンの新設・更新・定期点検のご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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