新築ビルの設計・建設において、最も重要なインフラの一つが空調設備です。
オフィス・商業施設・ホテルなど、建物の用途によって求められる空調の性能や構成は異なりますが、共通して言えるのは「快適性・省エネ・安全性をどう両立するか」という点です。
この記事では、URBAN空工が現場で培った知見をもとに、新築ビルで欠かせない空調設備の基本構成と最新トレンドをご紹介します。
🏢 新築ビルで空調設備が重要な理由
空調設備は、単に冷暖房を行うだけのものではありません。
現代のビルでは次のような多機能性が求められています。
- 快適な温湿度環境の維持
- エネルギー消費の最適化(省エネ)
- 室内空気の清浄化(換気・除菌)
- IoTを活用した集中管理・制御
特に、働き方改革やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の推進により、
「空調=建物の性能を左右する要素」として注目されています。
⚙️ 新築ビルで採用される主な空調システム
新築時に導入される空調システムにはいくつかの方式があります。
それぞれの特徴を理解しておくことが、最適な設計・施工につながります。
① 個別空調方式(VRF/マルチエアコン)
各フロア・部屋ごとに室外機を共有し、個別で制御できるタイプです。
オフィスビルや店舗テナントなど、柔軟な運用が求められる建物に多く採用されています。
メリット:
- テナントごとの使用量に合わせた運転が可能
- 省エネ性が高く、運用コストを抑制
- 改修時のレイアウト変更にも対応しやすい
デメリット:
- 室外機設置スペースが必要
- 長期運用では冷媒漏れ管理が重要
② 中央空調方式(エアハンドリングユニット+チラー)
ビル全体を一括管理する方式で、大型のオフィスビルや商業施設で採用されています。
チラーで冷温水を作り、各フロアのエアハンドリングユニット(AHU)に送って空調します。
メリット:
- 大規模空間でも均一な空調が可能
- 熱源機器を集中管理でき、省エネ設計に向く
- 加湿・外気処理などの高機能対応も容易
デメリット:
- 設備初期コストが高い
- 管理・運転に専門知識が必要
③ 全熱交換型換気システム(外気処理)
近年の新築ビルでは、**「換気」と「省エネ」**を両立するために
全熱交換型の外気処理機(OAHU)が導入されるケースが増えています。
ポイント:
- 外気を取り込みつつ、排気の熱を回収して室内温度を保つ
- CO₂濃度を抑制し、快適な空気質を維持
- 感染症対策にも効果的
🌡 最新トレンド:スマートビル対応空調
新築ビルの空調システムは、従来の「機械制御」から「デジタル制御」へ進化しています。
AIやIoTを活用し、効率的にエネルギーを使う仕組みが急速に普及中です。
🔹 AI制御による自動最適運転
- 室内温度・湿度・在室人数を自動で検知
- 外気温や時間帯に応じて負荷を調整
- 余分な電力を使わず、快適性を維持
🔹 クラウド集中管理
- ビル全体の稼働状況を一元監視
- 故障や異常を早期検知
- 管理コスト削減と稼働効率アップ
🔋 省エネと環境配慮が必須条件に
新築ビルでは、省エネ法・建築物省エネ基準の遵守が求められます。
また、ZEB Ready・Nearly ZEBなどの認定を目指す動きも加速しています。
そのため、空調設備の設計段階から以下を考慮することが大切です。
- 高効率インバータ機器の採用
- 再生可能エネルギー(太陽光・地中熱)との連携
- 冷媒ガスの低GWP化(環境負荷の低減)
- 熱回収システムの導入
URBAN空工では、空調・換気・給排気のトータル設計を行い、
建物の用途に応じた最適な省エネ計画をご提案しています。
🧰 新築ビルでの空調設計時のポイント
- 建物の用途・運用時間を明確にする
→ 24時間稼働か、昼間中心かで設計方針が大きく変わります。 - ゾーニング(空調区画)を適切に分ける
→ 不要なエリアを冷暖房しない省エネ運転が可能に。 - 将来の改修・拡張を見越した配管計画を立てる
→ テナント入れ替えや用途変更にも柔軟に対応。 - 維持管理のしやすさを重視する
→ 機器配置・点検口位置・ドレン勾配などを事前検討。
🏁 まとめ:新築時こそ「将来を見据えた空調設計」を
空調設備は、ビルの快適性・省エネ性・資産価値を大きく左右します。
特に新築段階での正しい設計・施工が、長期的なコスト削減と環境配慮につながります。
URBAN空工では、
- 設計段階での機器選定サポート
- 現場施工・試運転の一貫対応
- ZEB・BEMS対応の省エネ提案
まで、ワンストップで支援しています。
新築ビルの空調計画でお困りの際は、ぜひURBAN空工へご相談ください。


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