~2025〜2027年の空調業界価格上昇の背景と注意点~
はじめに|「エアコンが高くなった」と感じる理由
最近、同じエアコンでも 本体価格・工事費・部材費が大きく上がっていると感じていませんか?
実際、各メーカーが2026年〜2027年にかけて価格改定を発表しており、材料費の上昇が大きな要因となっています。
この記事では、
- どれくらい値上がりしているの?
- 何がそんなに高くなっているの?
- 今後の見通しと対策は?
という疑問に、空調のプロの視点でわかりやすく答えていきます。
価格上昇の実例 ─ メーカー自体も値上げを発表
代表的な例として、パナソニックが2026年4月から住宅用エアコンの価格改定を発表しています。
その理由として、原材料・部材・物流コストが高騰しているため、生産コストを抑えられなくなったと説明しています。
このような背景から、エアコン本体の価格だけでなく、部品供給側のコストも全体的に上がっているという実態があります。
価格はどれくらい上がっているのか?
実際の市場予測では、2026〜2027年にかけて次のような上昇が予想されています。
| 項目 | 価格上昇の目安 |
|---|---|
| 家庭用エアコン | 10〜20%上昇予測 |
| 業務用エアコン | 5〜8%上昇 |
| 換気・送風設備 | 10〜15%上昇 |
| 原材料(例:銅管) | 数年前の価格の倍近い事例も |
上記の価格予測は一例ですが、10〜30%程度の値上がりは一般的な数字として認識されています。
つまり、以前なら15万円ほどだった機種が、18万円〜20万円以上になる可能性もあります。
何がこんなに高くなっているのか?主な原因
■ ① 銅・アルミ・鋼などの原材料価格上昇
エアコンに欠かせない素材である
- 銅(コイルや配管用)
- アルミ(フィンやフレーム)
- 鋼(フレームや支持部材)
これらの価格がここ数年で大幅に上昇しています。とくに銅の価格は、1kgあたり1,400円以上に上昇した例があり、数年前の価格の倍近くになっているという報告もあります。
銅は冷媒を循環させるコイルや配管に必要不可欠で、置き換えが難しい素材です。そのため価格上昇が、そのままエアコン価格に反映されやすい構造になっています。
■ ② 半導体・電子部品のコスト
エアコンには多くの電子制御部品、センサー、CPU、パワーエレクトロニクス(インバーター基板)などが使われており、これらの価格も高騰しています。
世界的な半導体不足は依然として供給に影響を与えており、高性能モデルでは部品費が大きく上がる要因になっています。
■ ③ 新冷媒・省エネ部品対応の設計変更
2027年以降の省エネ基準強化(「2027年問題」)により、エアコン内部構造の大規模な見直しが進んでいます。
新基準対応には、より高効率なコンプレッサや、精密な制御センサー、多層熱交換器などが必要となり、製造コスト自体が上がっています。
このような技術的進化は長期的な省エネには役立ちますが、短期的には価格上昇要因となっています。
■ ④ 物流・労働コストの上昇
原材料や完成品を世界中から運ぶ物流費も高騰しています。
燃料費や輸送網の混雑、コロナ以降の供給体制の変化などで、運送コストが大幅に上がり、最終製品価格の上昇につながっています。
また、空調機器を生産・組み立てる人材不足も影響し、工場の労働人件費が上昇していることも価格に跳ね返っています。
上がり続けるのはいつまで?2027年以降の見通し
多くの専門家は、「原材料価格だけでなく**省エネ基準強化(2027年問題)**によって、構造的に価格が上がる時期が続く」と予測しています。
現状では
- 省エネ未達モデルは段階的に販売停止
- 高効率モデルへのシフト
- 選べる機種の減少
などが価格上昇圧力となっています。
一方、長期的には
- エネルギーコスト削減効果
- 電気代節約
- 環境負荷低減
というメリットも考えられるため、短期的な価格上昇と長期的な価値のバランスで判断することが大切です。
消費者ができる対策
● 早めの購入・交換も有効
価格が上がる前に購入することで、
同じ性能の機種を安く手に入れることができます。
特に省エネ基準が変わる直前(~2026〜2027年)は、選択肢が豊富な時期です。
● 省エネ性能を重視した選び方
価格だけでなく、年間消費電力(APF)などの省エネ性能を重視することで、長い目で見たトータルコストを下げられます。
2027年基準対応機は、省エネ性能が高く、電気代節約効果が期待できます。
まとめ|なぜ今エアコン価格が高いのか
エアコンの価格が上がっている背景は複数ありますが、主な要因は次の通りです。
✅ 原材料価格の高騰(銅・アルミ・鋼など) ➜ 部品費が上昇
✅ 電子部品(半導体)が高額化 ➜ 高機能化コスト増
✅ 省エネ基準強化・新冷媒対応 ➜ 設計変更コスト
✅ 物流費・労働コストの上昇 ➜ 全体価格に影響
このように、単に“原材料だけ上がっている”わけではなく、
技術革新・省エネ化・環境対応・供給側のコスト構造変化が複合的に影響しています。
エアコン導入・交換を考える際は、
「値上がりの仕組み」を理解し、今後の仕様やコストも計画的に見直すことが重要です。

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