エアコン工事は「取り付けるだけ」と思われがちですが、実際の現場では一瞬たりとも気が抜けない工程の連続です。配管加工、真空引き、電源接続、ドレン処理、勾配確認、室外機設置…。その中でも、プロの施工者が最も神経を使う瞬間があります。
それは――冷媒配管の接続と真空引きの工程です。
この記事では、エアコン工事の中でも特に重要なポイントと、施工品質が快適性や耐久性にどう影響するのかを、空調専門の視点から解説します。
■ なぜエアコン工事は慎重さが求められるのか?
エアコンは精密機器です。特に冷媒配管内部は密閉系統であり、わずかなミスが将来的なトラブルにつながります。
よくある施工不良例:
- 冷媒ガス漏れ
- 配管内への空気混入
- 水分残留によるコンプレッサー故障
- フレア加工不良による微漏れ
- 真空不足による能力低下
これらは設置直後には問題が出なくても、数か月〜数年後に不具合として表面化します。
■ 一番神経を使う瞬間①「フレア加工」
冷媒配管の接続部であるフレア加工は、施工品質を左右する重要工程です。
フレアの角度や締付トルクが適正でないと、冷媒漏れの原因になります。特に近年は高圧冷媒(R32など)を使用するため、わずかな精度誤差も許されません。
施工者は以下を厳密に確認します:
- 面の傷の有無
- 偏芯の有無
- 規定トルクでの締付
- 異物混入の確認
この瞬間は、現場の空気が一気に張り詰めます。
■ 一番神経を使う瞬間②「真空引き」
そして最大の緊張ポイントが真空引き作業です。
真空ポンプを使い、配管内の空気・水分を完全に除去する工程ですが、ここが不十分だと重大トラブルにつながります。
真空不足のリスク:
- 冷暖房能力低下
- 電気代増加
- 冷凍機油の劣化
- 圧縮機故障
プロは真空計(デジタルゲージ)を使用し、規定値まで確実に到達しているか確認します。時間短縮を優先する施工とは、品質に明確な差が出ます。
■ ドレン処理も見逃せない重要ポイント
水漏れトラブルの多くはドレン処理不良です。
- 勾配不足
- ドレンホースの潰れ
- 断熱不足による結露
- 室内側逆勾配
設置後に天井や壁を濡らしてしまうと、大きなクレームにつながります。そのため最終確認では必ず通水テストを行います。
■ 「見えない部分」が施工品質を決める
エアコン工事の品質は、完成後には見えません。しかし、
- 冷媒配管処理
- 真空引き精度
- 電源結線確認
- 断熱処理
- 配管固定
これらの積み重ねが、10年以上安定して使えるかどうかを左右します。
価格だけで施工業者を選ぶと、将来的に高い修理費や電気代増加につながることもあります。
■ エアコン工事は「設置」ではなく「性能を引き出す作業」
エアコンはメーカーの性能だけでなく、施工品質によって能力が決まります。いくら高性能機種を選んでも、施工が不十分であれば本来の能力は発揮されません。
だからこそ、プロは一つ一つの工程に神経を使い、妥協せず仕上げます。
■ まとめ|安心できるエアコン工事のために
エアコン工事で一番神経を使う瞬間は、
✔ 冷媒配管のフレア加工
✔ 真空引き作業
✔ ドレン処理確認
この“見えない工程”こそが、長期的な安心につながります。
エアコンは単なる家電ではなく、住環境を支える重要設備です。施工品質にこだわることが、快適・省エネ・長寿命の鍵となります。
空調工事をご検討の際は、価格だけでなく「施工内容」や「点検体制」にも目を向けてみてください。それが、後悔しないエアコン選びと工事成功の第一歩です。


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