「吹き抜けのある家はおしゃれだけど、エアコンはちゃんと効くの?」
新築やリフォームを検討されている方から、よくいただくご相談です。
結論から言うと、吹き抜けでもエアコンは効きます。
ただし、“正しい機種選定と空気の流れを考えた設計”が前提です。
この記事では、吹き抜け住宅のエアコン効率、よくある失敗例、快適にするための具体策を空調専門の視点から解説します。
■ 吹き抜けの家でエアコンが効きにくいと言われる理由
吹き抜け空間は、一般的な部屋と比べて以下の特徴があります。
- 天井が高い
- 空間容積が大きい
- 窓が大きくなりやすい
- 階段や2階とつながっている
冷気は下に溜まり、暖気は上に溜まるという性質があります。
そのため、冷房は1階ばかり冷え、暖房は天井付近に暖気が溜まりやすいという現象が起きます。
つまり「効かない」のではなく、空気がうまく循環していないことが原因なのです。
■ 冷房は比較的有利、問題は暖房
冷房の場合
冷たい空気は下に落ちるため、吹き抜けでも1階は比較的冷えやすいです。ただし、2階はやや暑くなりやすい傾向があります。
暖房の場合
暖気は上昇するため、1階が寒く感じることがあります。
「暖房を入れているのに足元が寒い」というケースは、ほぼ空気循環不足です。
■ 吹き抜けで失敗しやすいエアコン選び
よくある失敗は「畳数表示だけで機種を選ぶ」ことです。
エアコンの適用畳数は、一般的な天井高さ(約2.4m)を基準に計算されています。
吹き抜けのように高さが4m以上ある空間では、単純な畳数目安では不足する可能性があります。
必要なのは:
- 容積計算(㎡×高さ)
- 断熱性能の確認
- 窓面積・方角の考慮
- 家全体の気密性能
住宅性能によって必要能力は大きく変わります。
■ 吹き抜け住宅を快適にする空調対策
① サーキュレーター・シーリングファンの活用
最も効果的なのが空気循環です。
シーリングファンをゆっくり回すことで、天井付近の暖気を下へ戻せます。
暖房時は「下向き回転」
冷房時は「上向き回転」が基本です。
② エアコンの設置位置を工夫する
- 吹き抜け上部に設置する
- 階段ホールに設置する
- 2階廊下に設置し1階へ送風する
設置場所次第で体感温度は大きく変わります。
③ 高断熱・高気密住宅との相性
実は吹き抜けは、高断熱住宅と非常に相性が良い設計です。
断熱性能が高ければ、空間が広くても熱損失が少なく、エアコン1台で全体をカバーできるケースもあります。
近年のZEH住宅や高性能住宅では、「吹き抜け+エアコン1台全館空調」に近い使い方も増えています。
④ 補助暖房の併用
寒冷地や築年数が古い住宅では、
- 床暖房
- パネルヒーター
- 小型暖房機
を併用すると体感温度が安定します。
■ 光熱費は高くなる?
吹き抜け=電気代が高い、とは一概に言えません。
ポイントは:
- 断熱性能
- 適切な能力選定
- 連続運転(こまめなON/OFF


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